完璧主義のブリーのエピソードから考える完璧主義な母親とその子ども

海外ドラマの『デスパレートな妻たち』を見ていて、一番自分や自分の周りの人に近いと感じたのがブリー・バン・デ・カンプ。

 

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ブリーは完璧主義者でお料理・裁縫・ガーデニング、全て完璧。

でも神経質で、その完璧主義に付き合わされている家族は徐々に離れたり反抗したりします。

 

そんな完璧主義のブリーで、特に印象に残ったシーンを紹介します。

 

シーズン2 第22話【気がつけば独り】のシーンです。

ブリーは息子との関係が悪化し、一緒に暮らしていくことを諦めます。

(息子はホームレスに)

そんなゴタゴタの中、娘・ダニエルの誕生日をすっかり忘れてしまったブリー。

娘の誕生日パーティーは完璧なものにしてあげたいと意気込むブリーですが…

 

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ジュリー『大丈夫ですか?』
ブリー『ええ、どうして?』
ジュリー『ケーキの飾り付けまだなのかなって。1時間以上経ってるから。』
ブリー『なんか、うまくできなくて。失敗してばかり。』
ジュリー『疲れてるんだと思う。昨夜徹夜したんでしょ?』
ブリー『はぁ、どうしてもぼてっとしちゃうの。』
ジュリー『飾り付けってそんな完璧じゃなくて良いのに。
ブリー『人はそういう細部を見るの。大人になった時ダニエルに思い出してほしいのよ。母親が完璧なケーキを自分のために手作りしてくれたって。このケーキは愛情の証なの。
ジュリー『えぇ…すごく美味しそう…。』

 

これは誕生日会に来ていた友人の娘・ジュリーとの会話です。

『完璧じゃなくていいのに』というジュリーに対し、ブリーは『これは母親の愛だ』と説明します。

 

以前、リネットのセリフをご紹介しましたが、こちらでも言っているように、完璧でもピリピリした母親より、完璧とまでは言えなくても心に余裕があり穏やかな母親の方が子どもは安心できます。

ピリピリした母親と一緒にいるとこちらも緊張してしまうし、完璧を求められているような気がしてしまいますよね。

 

その後、無事にケーキが出来上がり、娘やその友だちがいるフロアへケーキを運ぶブリー。

 

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ブリー『待って!ろうそくが1本消えてる。だめ、もう一度最初からやり直さなきゃ!すぐ戻るから!』
ダニエル『ねぇママ!いいって!』
ブリー『あなたの大切な日なのよ。ろうそくも全部ちゃんとつけなきゃ!すぐだから待ってて!』
ジュリー『あれ本気なの!?』
ダニエル『これが地獄の我が家よ。』

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バービー『このクリーム激ウマ。』
ブリー『おまたせ!…誰がやったの?』
ダニエル『いいじゃない、クリーム一口くらい。』

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ブリー『あなたのケーキを台無しにしたのが誰か突き止めなきゃ。あなたなの?あなた?誰がやったの?』

ダニエル『私に恥かかせないで!』
ブリー『あなた!いかにもクリームに手を出しそうな子ね!』
女の子『違う、私がやったんじゃありません!』
ダニエル『ただのケーキじゃない!ママ良いから早く切って!』
バービー『バン・デ・カンプさん…』
ブリー『口開けて匂い嗅ぐから』
女の子『私じゃありません!バービーがやったの!』

(バービーがケーキにぶつかり床に落ちる)
ブリー『バービー!なんてことしてくれたのよ!!全部台無し!!何もかもが台無し!!

(部屋を出ていってしまう娘のダニエル)
ブリー『…ねぇ、それはそこに放おっておいて頂戴。後で片付けるから。』

 

クリームを舐めた子がブリーの剣幕に動揺し、ケーキにぶつかり床に落としてしまいます。

完璧な会にしたかったブリーにとってこんなに最悪なことはありません。

その場も凍りつき、娘は泣きながら出ていきます。

 

このブリーのシーンはとても印象に残りました。

それはおそらく私も私の親もその親も、完璧主義だからだと思います。

私の家族はブリーほど激しい人ではありませんが、このエピソードでの母親と娘、どちらの気持ちも想像できる気がします。

 

ブリーは、息子の子育てに失敗した今、娘の子育てでは失敗したくない。

良い母親でありたいし、良い母親というのは何事も完璧な母親である、と考えています。

『完璧にやらなきゃ』というプレッシャーを自分自身にかけストレスも感じているため、ちょっとしたミスが気になりイライラが募ります。

どんどん悪循環に陥っていきます。

 

娘は自分のためにしてくれていることだから口には出さないけど、本当は完璧なんて求めてない。

ピリピリした親を見ないで済むのなら、買ってきたケーキでもよかったと思っているかもしれません。

このケーキが床に落ちなかったとしても、この娘に残るのは『完璧なケーキ』ではなく『ピリピリした親』の記憶でしょう。

 

 

もうひとつ、ブリーのエピソードを紹介します。

これはシーズン2 第23話【過ぎ去りし日々】の中に出てきた回想シーンです。

初回で自殺をしたメアリーアリスが、越してきたブリーと初めて会った時のこと。

 

メアリーアリス『ブリー・バン・デ・カンプに会ったのも、彼女が引っ越してきた当日だ。会った瞬間好印象を持って好きにならずにはいられないタイプの人がいる。ブリーはそうじゃなかった。』

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ブリー『これお宅のですか?』
メアリーアリス『えぇ…どうして?』
ブリー『実は、うちの息子がお宅から盗んだようなんです。』
メアリーアリス『あぁ、そんな気にしないで。もし気に入ったなら差し上げるわ。』
ブリー『それは困ります。自責の念から羞恥心が芽生えるのに。あなた!主人のレックスです。これが息子です。犯罪者。』

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アンドリュー『泥棒してごめんなさい。ママからしちゃいけないことは教わっています。だからボクがしたことでママを判断するのはやめてください。
ブリー『なにかこの子におっしゃりたいことは?』
メアリーアリス『いえ…無いわ。もう充分よ。』

 

かなりあからさまではありますが、親に教え込まれた文章を言わされている息子。

『ママを判断しないで』というこのセリフもとても印象に残りました。

 

人からどう思われているかを気にしすぎる親のもとで育つのは正直辛いところもあります。

完璧主義の目的は『人から完璧と思われるかどうか』です。

人からどう思われても自分がいいと思えばそれで良い、とはいかないのが完璧主義の人たち。

子どもたちは何も言われなくてもその姿にプレッシャーを感じストレスを抱えるようになります。

 

私の母は私がプレッシャーを感じていたことを知ると『プレッシャーをかけるようなことは言ったつもりはなかった』と言いました。

たしかに『こうしなさい!』『あぁしなさい!』と常に厳しい目で見られていたわけではありません。

でも、生活の中にたくさん見られる完璧主義としてのこだわりが、無言のプレッシャーを与えていたのです。

 

また、人前で恥をかくことも、自分のだめなところを認めることも苦手です。

失敗を笑い飛ばせないのは、自分に自信がなく心が簡単に傷ついてしまうからです。

子どもを通して自分を判断されている、と考えるのも完璧主義の母親に共通しているのかもしれません。

 

子育てをするようになって、最初の頃の私はかなりピリピリしていました。

でも子どもが1歳をすぎると徐々に考え方が変わり、今では『完璧主義では良い親にはなれない』と思っています。

海外ドラマの少し大げさなこれらのエピソードは、親として本当に必要なことはなんなのか?を考えさせてくれました。

 

私が子育てにおいて大事にしなきゃいけないのは、『自分が周りの人達にどういう母親と思われているかということよりも、今目の前にいる自分の子どもが自分をどういう母親と感じているか』ということです。

例えば、子どもが他の子と違う行動をとったとして、『うちの子だけ違う…周りの親はどう思ってるんだろう』と考えるのではなく、『周りにどう思われようと守ってあげるから思うようにやってごらん』と思えるようになったら自分も成長したなと感じられると思います。

 

とは言え、まだまだ半人前の私。

子どもの寝顔に何度『ごめんね』と謝ったことか…。